音名表(ポケットリファレンス)

音名表

音楽大学や専門学校の音楽試験を突破するには、音名を正確に理解することが不可欠です。音名の知識は、音楽のさまざまな場面で役立ちます。

具体的には、このようなケースで音名が使われます。

楽譜の読解
ト音記号、ヘ音記号、ハ音記号などの音部記号が示す基準の音から、すべての音高を正確に把握します。
聴音・実技
聴いた音を識別したり、楽器で正確に表現したりする際に、音名を知っていることが役立ちます。
楽典
音楽理論の基礎を学ぶ上で、音の構成要素(音名など)を理解するために必要です。
コードネーム
複雑な和音(コード)の構造を理解し、分析する上で音名の知識は欠かせません。

この音名表では、音楽の基本である幹音(ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ)から、半音上げ下げを示すシャープ(♯)やフラット(♭)、さらに細かな表現に用いるダブルシャープ(𝄪)やダブルフラット(𝄫)といった派生音まで、網羅的に解説しています。

それぞれの音を、日本の階名に加え、以下の各国音名で分かりやすく一覧化しました。

  • 日本語音名(ハ、ニ、ホ、ヘ、ト、イ、ロ)
  • 英語音名(C、D、E、F、G、A、B)
  • ドイツ音名(C、D、E、F、G、A、H/B)

この包括的なガイドで、あなたの音楽学習を次のレベルへと引き上げ、試験本番で自信を持って臨めるよう、確固たる音楽理論の基礎知識を身につけましょう。

幹音

幹音の音名表
階名 日本語音名 英語音名 ドイツ音名
Cシー Cツェー
Dディー Dデー
Eイー Eエー
ファ Fエフ Fエフ
Gジー Gゲー
Aエー Aアー
Bビー Hハー

派生音

シャープ

嬰音(シャープ:♯)の派生音名表
階名 日本語音名 英語音名 ドイツ音名
嬰ハ C Cisツィス
嬰ニ D Disディス
嬰ホ E Eisエイス
ファ 嬰ヘ F Fisフィス
嬰ト G Gisギス
嬰イ A Aisアイス
嬰ロ B Hisヒス

ダブル・シャープ

重嬰音(ダブルシャープ:𝄪)の派生音名表
階名 日本語音名 英語音名 ドイツ音名
𝄪 重嬰ハ C𝄪 Cisisツィシス
𝄪 重嬰ニ D𝄪 Disisディシス
𝄪 重嬰ホ E𝄪 Eisisエイシス
ファ𝄪 重嬰ヘ F𝄪 Fisisフィシス
𝄪 重嬰ト G𝄪 Gisisギシス
𝄪 重嬰イ A𝄪 Aisisアイシス
𝄪 重嬰ロ B𝄪 Hisisヒシス

フラット

変音(フラット:♭)の派生音名表
階名 日本語音名 英語音名 ドイツ音名
変ハ C Cesツェス
変ニ D Desデス
変ホ E Esエス
ファ 変ヘ F Fesフェス
変ト G Gesゲス
変イ A Asアス
変ロ B Bベー

ダブル・フラット

重変音(ダブルフラット:𝄫)の派生音名表
階名 日本語音名 英語音名 ドイツ音名
𝄫 重変ハ C𝄫 Cesesツェセス
𝄫 重変ニ D𝄫 Desesデセス
𝄫 重変ホ E𝄫 Esesエセス
ファ𝄫 重変ヘ F𝄫 Fesesフェセス
𝄫 重変ト G𝄫 Gesesゲセス
𝄫 重変イ A𝄫 Asasアサス
(Asesアセス)
𝄫 重変ロ B𝄫 Hesesヘセス
(Besベス)
(BBベーベー)

上記で示したドイツ音名の一部には、複数の慣習的な表記や学術的な厳密さの違いが存在します。

例えば、『楽典 理論と実習』では、𝄫(A𝄫は「Asesアセス, Asasアサス」の順で記載されている箇所もありますが、ドイツ語の専門的な楽典や文献では「Asasアサス」がより一般的です。

また、𝄫(B𝄫については、「Hesesヘセス, BBベーベー, Besベス」といった表記が見られます。

ドイツ語のWikipedia(Doppel-bの項目より抜粋)では、音名の派生について以下の記述があります。

Zur Benennung des alterierten Tons wird an den Tonnamen des Stammtons die Endung -eses angehängt. Ausnahmen: E wird zu Eses, A wird zu Asas oder Ases. H hingegen wird zu Heses, nicht etwa zu Bes. (訳:変化した音の命名には、幹音に接尾語 -eses が付けられます。例外として、EエーEsesエセス に、AアーAsasアサス または Asesアセス になります。しかし HハーHesesヘセス となり、Bes ベスとはなりません。)

このように、特にHハー(シ)とBベー(シ)に関連するドイツ音名には特殊性があり、文脈や慣習によって複数の呼び方が存在することをご理解いただければ幸いです。

まとめ

本ページでは、音楽試験対策に焦点を当て、音名に関する包括的な基礎知識を提供しました。幹音や派生音といった基本的な音の概念から、日本語音名、英語音名、ドイツ音名といった各国の表記、さらにはト音記号、ヘ音記号、ハ音記号、そしてコードネームといった具体的な音楽シーンでの活用まで、多角的に解説しています。

この音名表を活用することで、複雑に感じられがちな音楽のルールが明確になり、あなたの楽典、聴音、譜読みの能力を飛躍的に向上させることができるでしょう。音楽を深く理解し、表現する喜びを追求するための一助となれば幸いです。

湖口浩朗(こぐちひろあき)

Seegmund Music Labo 代表 / 洗足学園音楽大学 非常勤講師

音楽理論家・教育家。作曲を専門とし、洗足学園音楽大学作曲コースを首席で卒業。在学中、鈴木純明、古曽志洋子の各氏に師事。現在、母校の非常勤講師として後進の指導にあたる。
サイト外で個人レッスン受付中。詳しくはプロフィールページで。

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